《 頚肩腕症候群の症例 》


◆症例7 首が動きづらい 左側頚部の違和感がある

患者: 男性 50代

来院: 2016年12月

●症状

首が動きづらい 左側頚部の違和感(つっぱり感)がある

 

3ヶ月前から、左頚部に違和感があり、しばらくすると違和感が痛みに変わり、首も動かしづらくなったため、近くのリラクゼーションに行ったが症状は改善せず。根本改善として鍼治療をしたいと思い、当院のHPを見て来院された。

●治療内容と経過

頚部の動きをチェックすると、回旋しづらく、痛みを伴う。右側屈動作で左側頚部につっぱり感がある。交通事故や昔行っていたスポーツの既往歴から、脊柱の動きが低下していること、またデスクワークでの手の疲労を考え、背部、手に刺鍼をしたところ、頚部の可動域が改善、つっぱり感などの違和感もなくなった。さらに動作をチェックしていくと、立位と座位において頚部の可動域に差があることがわかり、足、臀部に刺鍼したところ、更に頚部の可動域が改善された。現在も定期的に施術を受けに来られている。

●同時に治療した症状

肩こり 眼精疲労

●主に使用したツボ&活法

中腰L 大腰L 下巨虚L、後谿L T4(4)L T5(1)L 胞肓LR 天宗L

●考察

体の中心となっている脊柱の動きが低下し、首や肩甲骨の可動域が制限されていたことが原因あった。また、交通事故歴があり、学生時代にコンタクトスポーツをしていたため、頚部にダメージがあり、無意識に動きを制限していたとも考えられる。こうした場合は、動くことができると脳に学習させるよう、施術することで痛みが改善するケースは少なくない。


◆症例6 五十肩 右腕が挙げづらい

患者: 女性 50代

来院: 2016年11月

●症状

五十肩 右腕が上まで挙がらない

 

約1年前に、右腕が挙げづらくなり、次第に手が挙げると肩に痛みが出るようになり、夜間にも痛みが出るようになる。自分なりのケアをずっと続けて、痛みは以前より少なくなったが、いまだ、右腕は上まで挙げられず、結滞動作ができず着替えもままならない状態。知人の紹介で来院された。

●治療内容と経過

初診:右腕が挙げづらく、また右腕を挙げると右側頚部(首の横)に違和感があった。肩甲骨から胸椎の可動性が失われた結果、右腕が挙げづらくなっていると考え、胸椎の動きを出すために、手、背中に刺鍼したところ、右腕が挙げやすくなった。また、結滞動作もでき、久しぶりに後背部で両手がつくようになったと仰っていた。

 

2診(初診から7日後):まだ着替えがしづらい。右肩の動きをチェックすると、右肩の屈曲・水平内転がしずらく、肩の重さを感じる。このため、初診の時と同様に、胸椎の可動性を改善させるために、手や足に刺鍼したところ、右肩の重さがなくなり、屈曲、水平内転がしやすくなった。

 

3診(初診から20日後):右腕はかなり挙げやすくなり、ご自身のケアとしてラジオ体操を始めたとのこと。まだ、右肩を挙げると右側頚部(首の側面)に違和感があるため、鎖骨の動きが制限されていると考え、手に刺鍼。また座位と立位で違和感の感じ方が違うことから、下半身に着目し、腰部に刺鍼したところ、右腕が更に挙げやすくなり、側頚部の違和感もなくなった。

症状も改善していることから、始められたラジオ体操などご自身でケアを続けてもらうよう指導を実施し、3診で施術終了とした。

●同時に治療した症状

肩の重だるさ

●主に使用したツボ&活法

初診 後谿R 六谿R 孔最R T9(1)R 合谷R
2診 C5(1)R 篭掩R 玖路R 孔最R
3診 志室LR 鉤笠R 肩のこり抜き&承山上げ

●考察

いわゆる五十肩であった。五十肩は、痙縮期、拘縮期、回復期と様々な経過をたどっていく。今回のケースは、回復期の状態で、右肩関節に症状が発生してかなり長い期間が経過していたが、痛みの箇所に着目せず、肩の動きを出していくことで、患者さん自身も改善することを実感できた。


◆症例5  左肩から首にかけての痛み

患者: 男性 20代

来院: 2016年11月

●症状

左肩から首にかけての痛み

 

数年前から、左肩から首にかけて痛むようになり、動かせないくらい痛みが出ることがある。特に、首を右に向くと痛みが出ることが多い。他の治療院でマッサージを受けたが、解決に至らず。ご家族がインターネットで検索して当院を知り、来院された。

●治療内容と経過

首の動きを確認すると、右に向く(右回旋)以外に、ややアゴを引いて右に傾ける(右側屈)と痛みが強くなることがわかった。このため、首の動きを改善するために、手や足に刺鍼したところ、首は動きやすくなり、痛みもかなり改善した。左肩から首にかけてつっぱり感がまだ残っていたため、肩甲骨内側、足に刺鍼し、つっぱり感も改善した。再度違和感が出るようなら来院して頂くということで施術終了。

●同時に治療した症状

肩こり

●主に使用したツボ&活法

六谿L 懸鐘L 陽輔L T3(3)L 大腰R

●考察

体の中心となっている脊柱の動きが低下し、首や肩甲骨の可動域が制限されていたことが原因あった。このため、最初に、首の可動域を出すこと目的に、脊柱、肩甲骨内側に着目し、最後は立位の方が痛みが幾分楽であることから、下肢に着目したことが早期改善に繋がった。


◆症例4  首を動かすと肩甲骨内側が痛む

患者: 男性 40代

来院: 2016年9月

●症状

肩甲骨内側の痛み

 

2週間前から、首を動かすと左肩甲骨内側に痛みが出るようになった。また、動かさずに、ジッとしていると、同じ左肩甲骨内側にモサモサする違和感がある。このため、首が動かしづらく、今朝、寝違いのように痛みが強くなり、仕事を休まれ、通勤途中にある当院を思い出し、来院された。

●治療内容と経過

首を後屈(後ろに傾ける)し、さらに左に傾けると、左肩甲骨内側に痛みが出る。色々話をお聞きすると、いつも、横になり左頬に手を当ててテレビを見るようである。このため、手と首の関係に着目し、背中の状態を確認したところ、硬い箇所があった。原因と思われる手と背中に刺鍼したところ、痛みが無くなり、首の可動域が良くなり、今日の治療は終了とした。後日確認したところ、ジッとしたときに出現するモサモサする違和感もなくなったとのこと。

●同時に治療した症状

頚部の動き

●主に使用したツボ&活法

後谿L T5(1)L 肩回し

●考察

「どう動くとつらいのか」と動きや状況の確認するほかに、今回の症状に至った背景を探っていくことで原因を解く手掛かりとなった。結果的に、動きづらさを改善したことで、痛みがなくなった症例であった。


◆症例3  肩こり 右肩が痛む

患者: 女性 60代

来院: 2016年8月

●症状

肩こり 右肩が痛む

 

長い間、右肩の痛み、違和感に悩んでおり、近くの整体に行きながら身体を労わりつつ、だましながら生活を送っていた。会社の同僚が当院での鍼治療を聞いて来院された。今日は、座位でも立位でも、またじっとしていても、右肩が痛む。

●治療内容と経過

まずは、肩、首の動きを確認したところ、後屈(上を向く)、右・左回旋(右・左を向く)、右側屈(右にかしげる)で右に痛みが出るとのこと。問診している中で、便秘気味であるとのお話があり、お腹の状態を押して確認したところ、みぞおち・右肋骨の下際・へその左下に痛むなど違和感があった。まずは、腹部の違和感を解消するために、手、足に刺鍼したところ、右肩の痛み、違和感がなくなった。最後に、残った首の動きを改善させ施術終了。

●同時に治療した症状

腹部の違和感

●主に使用したツボ&活法

曲泉R 中封L 合谷R T4(3)R 後谿R

●考察

今回のケースは、動かさずに、じっとしていても肩が痛む点に着目した。こうしたケースは、内臓の働きが悪くなることで、肩こりが起こることも考慮する必要がある。例えば、胃腸に消化できなくなったものが溜まってしまうと、肩に負担がかかってしまうことがある。問診で便秘などのストレスがあることが判明。結果として、腹部の違和感を解消することが肩こり解消の近道であった。


◆症例2  寝違い 首を動かすと痛む

患者: 女性 40代

来院: 2016年7月

●症状

寝違い 首を動かすと痛む

 

今朝、起きたときに首を動かすと痛みが出て、家事に差し支えが出てしまい来院された。ここ2週間、ご家族の事で忙しくされ、ご自身のストレスは多々あった。このため、首や肩の張り感が強く、酷い時にはめまいもあり、落ち着いてホッとしたところ、今朝、目覚めた時、首が痛かったとのこと。近所の当院にご連絡頂いた。

●治療内容と経過

痛みが出ない範囲で、首の動きを確認したところ、後屈(上を見る)、右回旋(右を見る)をすると、首の右側に痛みが出るとのことだった。
右の肩がガチガチで、特に右肩甲骨上角に強い張りがあり、重だるさもあるとのことで、まずは、肩を緩める鍼を実施。動きをチェックしていく過程で、前腕回外で右回旋が楽になることなどがわかり、最終的には手、背中に刺鍼を実施したところ、首の動きがスムーズになり、痛みが解消した。(痛みのスケール 10→2)

●同時に治療した症状

頚部の動き

●主に使用したツボ&活法

後谿R 合谷R 胞肓R T4(3)R T5(1)L

●考察

疲労感が溜まってくると、免疫力が落ち、寝違いやぎっくり腰が起きやすい。また、患者さんは、過去に交通事故の経験があり、その際のムチウチの後遺症が、肩甲骨の内側に残っていたことも原因のひとつであった。


◆症例1 四十肩 左腕を挙げると肩の前面に痛みが出る 左手が後ろに回らない

患者: 女性 50代

来院: 2015年10月

●症状

四十肩 左腕を挙げると肩の前面に痛みが出る 左手が後ろに回らない 夜間痛あり

 

2か月前から左腕が上がらず、手が後ろに回らないため、着替えするのが難しい。夜間痛があり、朝起きた時は左腕が重だるく、痛みがある。以前に右肩の四十肩をやったことがあるため、痛みのつらさは知っている。今回、左が利き腕であり、早く生活に支障がないようにしたいため、知人の紹介で来院された。

●治療内容と経過

1診:左手がおしりまで回らず(結滞動作が出来ず)、左腕の重だるさをとても感じる。また、夜間に痛みがあるため睡眠の妨げなっている。まずは、左手がおしりまで回るよう、背部、手に刺鍼。おしりまで手が回る様になったことを確認後、左の重だるさ改善、夜間の痛み改善目的で、手、頚部へ刺鍼。重だるさは改善し、夜間の痛みは患者さんに確認してもらうことで、まずは施術終了。


2診(初診より10日後):夜間の痛みがかなり無くなり、患者さんがとても喜んでおられた。更に左肩の可動域を改善させるため、頚部、背部、手、足に刺鍼。


3診(初診より18日後):夜間痛なし。左肩の動きが良くなってきたが、肩上部など細かい箇所の違和感が気になるとこのことで、背部、手に刺鍼。


4診(初診より23日後):左肩の動きがかなり改善されてきた。頚部前面、鎖骨あたりの重だるさがあり、背部、手に刺鍼。併せて左肩、肩甲骨周りをストレッチなど他動運動を実施。


5診(初診より30日後):左肩に症状はかなり良いとのこと。今日は寝違いがあり頚部の動きづらいため来院。症状改善として、手に刺鍼。
その後、確認したところ、症状は治まっており、5診後、患者さんご自身の判断で、仕事を一旦離れ心身共に自身のケアされたそうである。今では症状もなく仕事に戻られ、生活に支障がなく過ごされている。

●同時に治療した症状

腕の重だるさ 夜間痛

●主に使用したツボ&活法

C5(1)L 外谷L T4(1)R T4(2)L 陽輔L 六谷L 後谿L

●考察

夜間痛、動作時痛があり、一番つらい動きをひとつずつ解決し肩や首の動きが出来るようにしていくことで、患者さん自身も改善することが実感できていた。しかしながら、仕事へのストレスがあり、患者さんの判断で一旦仕事を離れて心身共にケアされたことが更なる早期改善に繋がったと思われる。