《 膝の痛みの症例 》


◆症例5 しゃがむと左膝の裏が痛む

患者:男性 40代

来院: 2018年4月

●症状

しゃがむと左膝の裏が痛む

 

昨年の8月頃から左膝に違和感、徐々に痛みが出るようになり、整形外科を受診したが膝には異常なしと言われた。歩く時には痛みはないが、正座やしゃがむと左膝の裏に痛みが出る。膝にサポーターをすると少し痛みは緩和される。仕事に支障が出るようになり、以前ハリ治療して肩の痛みが改善した経験を思い出し、ネットで検索され、当院にご連絡頂いた。

 

●治療内容と経過

実際に、しゃがむ動き(スクワットするような動き)をして頂くと、しゃがむ途中で左臀部の緊張が強いため、やや右に重心移動しながら動くことがわかった。まずは、臀部の緊張が原因と考え臀部に刺鍼。さらに膝の曲げやすくするよう腰に刺鍼したところ、少し痛みが残るがかなりしゃがむ動作ができるようになり、この日はこれで施術終了。2診(3日後)では、少し痛みがあるものの、しゃがむ動きが今ひとつ芳しくない。再度動作を確認したところ、ふともも前面のつっぱり感、足首の動きに問題があると考え、刺鍼したところ、左膝の裏の痛みがなくなり、しゃがむ動作がとてもやりやすくなった。症状が改善したため2診で終了とした。後日、ご連絡頂いたが、施術後、痛みがなく過ごせているとのことであった。

●同時に治療した症状

 ふともものつっぱり感 足首の曲げづらさ

●主に使用したツボ&活法

 1診:膝根L 気海兪L 
 2診:膝根L T12(1.5)L 巨骨LR

●考察

 膝を曲げる動きは、膝の関節だけが関与するのではなく、股関節、足関節など下肢全体が連動している。骨の変形がないなど膝自体の問題がない場合は、下肢全体の動きを診ることが大事であるという症例である。


◆症例4 歩き始める時だけ右膝が痛む

患者:女性 70代

来院: 2017年2月

●症状

歩き始める時だけ右膝が痛む

 

原因がわからないが、約5ヶ月前から、歩き始めた時だけ、右膝が痛むようになり、歩き始めてしまえば、右膝の痛みが気にならなくなる。以前受診されていたご家族の紹介で来院された。

●治療内容と経過

歩行を後ろから確認すると、右足着地時に右膝が内側に入ってしまう。確認時も歩き始め時のみ、右膝の内側に痛みがある。このため、右下肢全体のバランスを整えることを目的とし、臀部に鍼をした。すると、歩行で膝の痛みがなく、膝が内側に入ることもなくなり、スムーズに脚を動かすことができた。片足立ちに不安定さがあり、肩の張り感もあることから、肘、手に鍼をした。膝に関して痛みや違和感などあるようなら来院するようお話をして施術終了とした。

●同時に治療した症状

 肩の張り感

●主に使用したツボ&活法

膝根R 曲池L 合谷L
骨盤の高低差

●考察

膝だけを診るのではなく、下肢全体のバランス、動きの中心軸を整えることで、膝の痛みが緩和され歩行などの動作に改善がみられることは多々ある。


◆症例3 歩行時、左膝を曲げた時に痛む

患者:女性 70代

来院: 2017年2月

●症状

歩行時、左膝を曲げた時に痛む

 

昨年12月に転倒してから、左膝に痛みが出るようになった。具体的に、歩行時に左下肢に重心がのせることができず、膝関節の前側に痛みと違和感がある。また、スクワットの様に膝を曲げると、左大腿前面につっぱり感があり曲げづらい。知り合いの紹介で来院された。

●治療内容と経過

仰向けで重心をかけずに膝を曲げても痛むことから、まずは膝関節を曲げられるよう、腰、足に鍼をしたところ、膝は曲げやすくなった。大腿部のつっぱり感の改善を目的として、臀部、背部に鍼をしたころ、歩行で膝の痛みが緩和され、スムーズに脚を動かすことができた。日常生活において左膝の具合を確認して頂き、痛み、違和感などあるようなら来院するようお話をして施術終了とした。

●同時に治療した症状

 大腿前面のつっぱり感

●主に使用したツボ&活法

膝根L 気海兪L 外眼裏L T12(1.5)L

●考察

仰臥位で膝に重心をかけず曲げても痛むことから、まずは膝関節の可動域改善を目的に施術し、その後下肢全体を診てアプローチしたことが早期改善に繋がった。


◆症例2 右膝に体重をかけると右膝の裏がピリピリ痛む

患者:女性 50代

来院: 2016年12月

●症状

右膝に体重をかけると右膝の裏がピリピリ痛む

 

最近、急に、立位の状態から膝を曲げて体重をかけると右膝の裏がピリピリ痛むようになった。しゃがむことは何とかできるが、正座がしづらくなった。症状が悪くならないようにと来院された。

●治療内容と経過

立位で膝の状態を確認したところ、左に比べて、右膝の膝蓋骨周辺のむくみがあった。立位姿勢はやや右に重心があり、立位から膝を曲げて体重をかけると、右膝が外に開いていく。下肢全体の軸に問題あると考え、臀部、下肢に刺鍼したところ、右膝が曲げやすくなり、正座もできるようになった。最後に左右のバランスを取るために活法を行ない、施術終了。軸が整い、膝が動きやすくなったことで、膝のむくみの左右差がなくなった。

●同時に治療した症状

正座がしづらい    膝のむくみ

●主に使用したツボ&活法

膝根R 殷門R
骨盤の高低差の改善

●考察

結果として、膝の動きにおける軸がずれて起きた膝の痛みであった。また、膝の可動域が出たことで水分の貯留が減り、むくみ改善につながったと考えられる。膝の痛みは、膝だけでなく、下肢全体をみて施術を実施することが大事であり、今後も下肢全体を観察していきたい。患者さんには変形性膝関節症における質問もあり、症状やリスクなどできるだけわかりやすく説明した。


◆症例1 歩く時・立ち上がる時に左膝が痛む

患者: 男性 50代

来院: 2015年11月

●症状

左膝の痛み 歩く時・立ち上がる時に痛む

 

2か月前に、仕事内容が変更となり、かなりの距離(1日2万歩以上)を歩くようになっり、1か月前から歩くときに左膝にズキズキする痛みが出るようになった。また座った姿勢から立ち上がる時にも痛むとのこと。知人の紹介で来院された。

●治療内容と経過

痛みのない範囲で、立ち上がり動作をして頂くと、左膝の外側に痛みがあることを確認。問診では特に転倒したりして膝を打ったことがないこと、そして、仕事でかなりの距離を歩かれていることを考慮し、臀部を触診したところ、仙腸関節近くに少し硬い所があった。また、膝の曲げづらさもあるため、臀部、足に刺鍼したところ、左膝の痛みがかなり改善した。仕事において左膝の具合を確認して頂いて、違和感などあるようなら来院するよう話をし終了。

●同時に治療した症状

 なし

●主に使用したツボ&活法

委中L 大腰L 膝根L
膝裏の拘縮取り

●考察

膝と臀部には、密接な関係があるため、今回の症例は、この関係に着目した。仕事とはいえ、1日にかなりの距離を歩いているとのことで、臀部の筋肉の疲労感で動きが悪くなり膝への負担が強くなったと考えられる。